紹介会社に全部頼ると、採用費が読めなくなります
訪問看護ステーションの管理者や経営者の方に向けて書きます。看護師1人を紹介会社経由で採ると、手数料は年収の一定割合です。厚生労働省が職業紹介事業者に行った令和3年の調査では、看護師の紹介手数料率は平均で年収の26%、20%台とした事業者が約半数でした。年収450万円なら90〜135万円です。早期に退職されれば返金規定があっても全額は戻らず、翌年また同じ費用がかかります。
紹介会社を使うなという話ではありません。急な欠員には紹介会社が早いです。問題は、紹介会社しか導線がない状態です。株式会社Bee(大阪)は福祉領域の採用アカウントを撮影込みで運用していて、その経験から、訪問看護の採用導線をどう分けるかを書きます。
4つの経路の役割分担
| 経路 | 届く人 | 費用の性質 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| 紹介会社 | いま転職活動中の看護師 | 成功報酬。1人ごとに年収の2〜3割前後 | 急な欠員。1〜2か月で埋めたい |
| 求人媒体 | 条件で探している看護師 | 掲載料か応募課金 | 条件面で競争できるとき |
| SNS | 病棟で働きながら、訪問看護を見ている看護師 | 運用の固定費。採れるほど1人あたりが下がる | 半年先の採用。定着を重視 |
| リファラル(職員の紹介) | 職員の元同僚、同期 | 報奨金 | 職員の満足度が高いとき |
上の2つは「いま探している人」の取り合いで、ステーションの数だけ競合がいます。下の2つは「まだ探していない人」に届きます。紹介会社に頼らない導線とは、下の2つを育てて、上の2つを急ぎのときだけ使う形のことです。
SNSは、病棟から移りたい看護師に届く導線です
訪問看護への転職を考える看護師の多くは、病棟勤務で夜勤やシフトに疲れた人です。興味はあるが、一人で訪問して判断できるか、オンコールはどのくらい呼ばれるか、給料は下がるのか、という不安があります。この段階の人は転職サイトに登録しておらず、紹介会社からは見えません。
SNSの投稿は、この不安に順番に答える形で組みます。1日の流れは時刻つきで見せ、オンコールは実際に呼ばれた回数を出し、病棟との違いは移ってきた職員本人に話してもらいます。投稿の型は訪問看護ステーションのSNS活用に書きました。利用者さまのご自宅は撮らず、事務所と移動と職員だけで成立します。
SNSで知ってもらった人が、半年後に転職を決めたとき、紹介会社を通さずにDMや公式LINEで直接来る。これが導線が育った状態です。紹介会社経由で来た人が、面接前にSNSを見て不安を減らしている、という形でも効きます。
導線をつなぐ順番
- 求人票を整える。給与の幅、オンコールの手当と回数、直行直帰の可否、記録の方法を数字で書く。SNSから来た人も結局ここを見ます(求人票とSNSの役割分担)
- SNSで不安に答える投稿を出す。最初の10本は1日の流れとオンコールの実際
- 質問を受ける窓口を作る。DMか公式LINEで、応募前の質問に管理者が答える
- リファラルの仕組みを作る。紹介した職員への報奨と、紹介された人が見られるSNSの投稿を揃える
- 紹介会社は急募のときだけ使う。手数料率と返金規定は契約前に比べる
見る数字
応募経路ごとの応募数と採用数、採用1人あたりの費用、入職6か月後の在籍。この3つを経路別に並べます。SNS経由の人は入職前に職場の様子を見ているので、定着に差が出るかどうかも経路別に確かめておきます。定着まで含めて1人あたりの費用を出すと、経路ごとの差が見えます。
弊社の場合
株式会社Beeは、放課後等デイサービスなど福祉領域の採用アカウントを、企画・撮影・編集・投稿・分析まで月額20万円から運用しています。訪問看護ステーションの運用はこれからの領域ですが、「現場を見せられない前提で、職員の言葉で不安に答える」という設計は同じです。看護師採用でSNSをどこに置くかは、介護・福祉・医療の採用SNSでご相談ください。
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