先に、全体像
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓のための取り組みに出る補助金です。SNSや動画は、その取り組みの一部として申請します。「SNSを始めたい」が目的では通りません。「新しい客層に届けて売上を増やす」が目的で、その手段にSNSがある、という組み立てです。
制度の全体像と他の補助金についてはSNS運用に使える補助金はあるのかに書きました。ここでは申請の考え方に絞ります。
経費区分
SNS用の動画制作、公式LINEの構築などは「ウェブサイト関連費」に計上します。SNS広告やインターネット広告は、第20回(2026年11月受付)の公募要領からチラシや看板と同じ「広報費」に入りました(第19回まではウェブサイト関連費)。
| 経費 | 区分 | 注意 |
|---|---|---|
| SNS用の動画・写真の制作費 | ウェブサイト関連費 | 期間と本数を区切る |
| SNS広告の出稿費 | 広報費(第20回から) | 期間を区切る |
| 公式LINEの構築費 | ウェブサイト関連費 | 構築(初期)は計画書に書きやすい |
| 運用代行の月額 | ウェブサイト関連費 | 補助事業期間内の分だけ。期間をまたぐ継続分は対象外 |
| チラシ・看板 | 広報費 | ウェブサイト関連費と組み合わせる |
ウェブサイト関連費は、第20回からは30万円(税込)が上限です(第19回までは補助金交付申請額の4分の1、最大50万円)。広報費にも同じ30万円の上限があり、どちらの区分も単独では申請できません。設備などの他の経費と組み合わせます。上限額や補助率は公募回ごとに変わるので、申請する回の公募要領で確認してください。
通りやすい形
- 「新規顧客の開拓」が目的で、SNSはその手段として位置づけられている
- ターゲットが具体的(「30〜40代の子育て世帯」「近隣の企業の採用担当」など)
- 動画制作は「〇本を〇か月で制作し、〇〇に掲載」と区切られている
- SNSだけでなく、チラシや店頭POPなど他の施策と組み合わさっている
- 売上や客数の目標が数字で書かれている
- 公式LINEの構築が、来店後の再来店につなげる設計として書かれている
通らない形
- 「SNSを運用したい」が目的になっている
- 運用代行の月額費用を12か月分計上している
- ウェブサイト関連費だけで申請している
- ターゲットと効果が曖昧(「幅広く認知を広げる」)
- すでに契約・支払いが済んでいる(交付決定前の支出は対象外)
計画書に書くこと
計画書の骨格は、どの補助金でも同じです。
- 現状と課題:いまの客層、売上の構成、何が足りないか
- ターゲット:新しく届けたいのは誰か
- 取り組み:何をするか(動画制作〇本、SNS広告〇か月、公式LINE構築、チラシ〇枚)
- 効果:売上・客数・問い合わせ数がどう変わるか(数字で)
- スケジュール:いつ何をするか
- 経費:区分ごとの金額と見積もり
SNSの部分は、「誰に、何を見せて、どう来店につなげるか」を書きます。運用の考え方は、このサイトの記事がそのまま使えます。
申請前に確認すること
- 自社が小規模事業者の要件(従業員数)に当てはまるか
- 商工会・商工会議所の管轄と、相談の予約(計画書の確認と事業支援計画書の発行が必要です)
- 公募のスケジュール(締切から逆算して、商工会への相談は1か月前には)
- 見積書の取得(制作会社から、内訳が分かる見積もりをもらう。1件の発注が税込50万円を超える場合は2者以上の見積もりが要ります)
- 交付決定前に発注・契約・支払いをしない(採択と交付決定は別です)
弊社の対応
申請に使う見積書(動画制作〇本、公式LINE構築など、内訳が分かる形)を発行します。計画書の「SNSで何をどう届けるか」の部分についても、ご相談いただけます。採択の判断は補助金の事務局が行うので、商工会・商工会議所と相談のうえ進めてください。